重金属汚染

 

 

 人は虫歯に成ったり、歯が抜けてしまったなどの欠損が起こった時に、歯科医院で治療しますが、その際に欠損した部分を埋める、又は被せて補うという処置が施されます。保険制度では通常強度を求めてお口の中に金属を入れることが一般的です。皆様はお口の中にどのような金属が入っているのかをご存じでしょうか。金属の種類はたくさんあります。

 自転車を雨ざらしにしてしまい、その金属部分が錆びて酸化してしまう経験をされた方は多いと思います。しかし、お口の中の金属の環境はと言いますと、酸っぱい物を食べたり、甘い物を食べたり、苦い物、辛い物、しょっぱい物、熱い物や冷たいもの、アルカリ性だったり酸性だったり、硬い物や軟らかい物、などを食べるために、金属にとってはとても厳しい環境です。

 女性の皆様はアクセサリーで指輪とかイアリング、ピアスなどをされることが多いと思いますが、最初は銀色に輝いていた金属が何週間かすると直ぐに酸化してしまって真っ黒になる金属とかに遭遇したことが誰しもあると思います。これは低融銀合金と呼ばれる物です。お口の中にこれと同等の金属を使用しますと歯茎が黒く変色したり、かなりの量金属イオンが遊離し、お口の中に溶けていくものと思われます。

 また、現在も使用されている医院もあるかもしれませんが、アマルガムという水銀と錫を練和して作った金属を歯に詰めていた時代がありました。歯科で使用されるのは無機の水銀ですが、有機ではあの水俣病が連想される水銀です。環境ホルモンなどの時代背景が変わりお口の中に水銀をつめているということは本当に大丈夫なのかと言われる時代になりました。

 また、保険で最も多く使用されるパラジウム合金でさえもイオンの溶出や酸化が起こります。

 これらの金属がほぼメインで保険では使用されます。

 お口の中の舌下(舌の裏側)にはたくさんの静脈層があり、イオン化した金属が身体に吸収されていきます。そして体内に重金属汚染を引き起こし各臓器に蓄積され、遺伝子への悪影響も指摘され始めています。 

 昨今アンチエイジングに注目が集まっています。身体の酸化を防ぐには抗酸化物質を摂ることも有効です。抗酸化物質にはビタミンCや赤ワインのポリフェノールなどが代表的です。また学会でも将来寿命は125歳になるであろうと言われています。抗酸化物質を摂る事は、活性酸素を除去し遺伝子への悪影響を防ぐためにも重要ですが、実はお口の中の金属がその何倍も酸化に加速をかけているとしたら本末転倒であることは言うまでもありません。

 どのような刺激が加わっても金属がイオン化しない安定した金属、普遍的であり生体に害を与える事なく食べる事の出来る金属、生体律動を乱す可能性が無い金属、は、唯一金なのです。健康という側面からみますとこれらの事はとても大切と考えます。

 また、水銀量が多い方は連動して亜鉛が少なくなる傾向が見られます。これにより身体にいろいろな症状が出てくる場合があります。水銀量は毛髪で検査出来ますがお口の中にアマルガムが多く充填されていますと、当然水銀量が多い傾向があります。もちろん日本人は魚を多く摂りますので西洋人に比べ水銀量は多いと言われています。

 昨今ではお口の中から金属を排除する傾向があります。本当のアンチエイジングを考えるとまず始めに歯を治療することが大切なのです。


 

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2020年 05月 20日 水曜日