自然治癒力をもった小宇宙人体と歯  その56 常識を越える

 常識とは、世の中の当たり前のこと……。その当たり前と言われることも、最初に社会に伝わったときには非常識なことが多く、受け入れられにくかったのではないでしょうか。すべての新しい考え方や行動は徐々に浸透していきます。また、環境やその周りの影響により変化するものなのです。最近はコンピューター、インターネットにより環境の変化が加速しています。

牛乳の飲み過ぎはむしろ骨粗鬆症になる危険性

 例えば、「カルシウムをとるために牛乳を飲みなさい」ということは、最近までの、そして、今でも一部では常識とされています。これは戦後、日本人の栄養不足を解消するための対応で、残念ながら学校給食にも取り入れられてしまったため、今なお言われ続けています。現在では、当時と色々な環境が変わり、また、科学でわかってきたことを加えられ全く逆のことが言われているのです。

 牛の牛乳には母乳よりもリン(P)というミネラルが多く含まれる傾向にあります。私たちの身体の中で、通常、カルシウムとリンの比率は2:1に保たれており、更に、血液中では1:1に保たれています。そのため、リンが更に加わり過ぎると、身体では恒常性を保とうと血液中のカルシウムを多くしようとするのです。そのカルシウムがどこからくるかというと、硬い組織の骨や歯から溶け出し、血液中へと流れ出ていってしまうのです。ちまたでよくいわれる骨粗鬆症の要因です。また、血液中のカルシウムが異常に多くなると軟組織に石灰化がおき、血管の石灰化や結石などのトラブルが出てきます。

 お肉もカルシウムに対してリンの比率が多い食品です。精製されたお肉は、さらに保存料や添加物にリン酸ナトリウムなどが使われているものもあり、リンはもっと多くなります。これは二桁違う量のリンが入ってくることとなり、いずれリンの排出が困難になります。卵の黄身やまぐろの赤みなども同じように高いものです。

栄養を分解吸収しタンパク質を再構築するのにマグネシウムが不可欠

 私たちの身体は、およそ60兆個の細胞で構成され細胞の中は多くのマグネシウムで満たされています。そのマグネシウムが不足すると、ここでも細胞の中にカルシウムを取り込みやすくなってしまい細胞小器官の小胞体やミトコンドリアにストレスがかかり、細胞の機能が悪くなります。上手く機能しなくなった細胞は自ら自分自身を壊し、再構成するアポトーシスという現象ができなくなり、それが少しずつ蓄積されると、細胞は癌の方向へと進んでいきます。

 マグネシウムは体の中で栄養を分解して吸収しタンパク質を再構成するという生化学の酵素反応の、なんと三百行程以上に使われています。マグネシウムの不足は致命傷となり、そのような状態では、いくら薬を飲んでも治りません。マグネシウムは食品の中では、あおさ、豆類、玄米などに多く含まれています。

60兆個の細胞が喜ぶ環境を維持する

 今の西洋医学は、病名をつけてそれに効果のあるお薬を出すという対症療法が主体ですが、60兆個の細胞が喜ぶ環境を常時続けることができれば、自然に病気は治るのだと言う、根本的な治療をしなければなりません。

 歯科の治療も今は予防医学が浸透してきていますが、それも最初は受け入れられにくいものでした。予防医学は、病になってから長く病院にかかるより、結果的には、時間も医療費も家族への負担も少なくなるのではないでしょうか。

 食品の安全性が曖昧で本当の栄養学が伝わっていないため、若い方の癌も急増しています。今やネットですぐになんでも調べられる世の中ですが、本当に自分に必要な情報と知識を見極める目をもって、自分の身体は自分で守っていかなければいけません。