自然治癒力をもった小宇宙人体と齒 (院長の独り言)

80食生活と人間

 歯科では妊娠中の妊婦さんから赤ちゃん乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、成人、社会人、壮年期、老人、介護を必要としている方、など人の生まれる前から亡くなるまですべての人の場面に接触します。ただ歯科医院に来院されるきっかけは虫歯や歯茎のトラブルである歯周病、また顎の痛みやお口が開かないなどの顎関節症などの何かしらの症状がでたことがきっかけとなります。今の科学では虫歯は歯の汚れからミュータンス菌が菌体外毒素を出し、その成分が酸性なため歯が溶け出すのだというものや、歯茎の中に歯周病菌が入り歯周病になること、また歯のかみあわせが狂ってしまったためにお口が開かなくなるということなどが言われていますが、実はその本当の原因には見えないかみ合わせの力が働いているのです。接触する歯の部分に食べかすは常時同じようにあるのに、接触する手前の歯は虫歯なのに後ろ側の歯は虫歯で無いということが臨床ではよくあることです。どうしてそのような差がでるのでしょうか。歯周病も同じで、歯の周りが同じように汚れているのに健全な歯と歯周病になってしまう歯があるのです。顎関節症も噛み合わせになんら問題の無いケースも増えてきています。その本当の原因のかみあわせの力を狂わせる要因として、もっと大きな視点で考えると実は本当の原因は「食」と「環境」にあるのです。
1920年代アメリカのプライス博士が世界中の部落で、そこに住む人の歯を調査した貴重な文献があります。歯医者がいない山奥の部落でも、その場でとれる物を加工をしないで食べている部族には、虫歯も歯列不正もなく健康であるのに対し、近代食を取り入れ加工食を食べるようになった部族は虫歯が多くなり顎も細く歯列不正が多くなるというデータがあります。
日本では、昭和初期の食べる物があまりなく加工食品も無い時代の方が、平均寿命は短かったかもしれませんが、肉体精神ともに健康であったのではないでしょうか。昨今、コンビニやファーストフードで便利さを追求したための弊害により、虫歯や歯周病、顎関節症がおきていると言えるかもしれません。
 そのような背景からも歯科では食事指導をさせて頂くことが多く、特に現在少子化と言われていますが妊婦になる前から食事を見直しておく必要があることをお話しなければなりません。妊娠する前からのマイナス1歳からの食生活としてはトランス脂肪酸の問題を挙げておきたいと思います。既にトランス脂肪酸の害はご存じかもしれませんが、トランス脂肪酸は蓄積性が有り、ハーバード大学の資料ではLDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールの減少、血栓の形成促進や妊婦で一番問題な子癇前症(妊娠中に高血圧やタンパク尿を特徴とする疾患)のリスクの上昇(トランス脂肪酸は胎盤を通過するため)、Ⅱ型の糖尿病に成りやすくなるなど、その他たくさんの問題があります。代表作はマーガリンで、今でも学校給食にもでているかもしれません。トランス脂肪酸は先進国では規制が始まっていますが、日本はまだ規制不要という立場であるようです。世界保健機関のWHOからはトランス脂肪酸を2023年までに世界の食品から一掃することを目指す段階的な戦略が発表されていますが、どんな種のことでも日本は規制が10年遅いといわれており、自主的にチェックしてなるべくそのような食品は摂らないようにしなければなりません。
 人は一度美味しい物を知ってしまうと、それを食べないでいるということは、なかなか出来ないものです。でも安価で健康を害するものを食べ続けるのは如何なものでしょうか。
加工食は食べない方がよいですし、中でもトランス脂肪酸が添加されると人は美味しいと感じてしまいます。自分たちで気をつけられることとすれば、植物油脂やショートニングなどの表示には注意し、自らが取り入れる油を正しく選択する必要があります。

79当たり前のポジショニング

 現代の自動車はとても精巧でさまざまな機能がついており、快適に運転することができます。
壊れることもほとんどなく、良い状態でいつも安定しています。

若い世代の方は、車に興味がなくなってきていると聞きますが、本当なのでしょうか。
もしそうだとしたら、車よりなにか夢中になるものがあるのでしょう。
私はスーパーカー世代ですから、周りをみてもやはり車好きが多いようです。

「安定」は求めないほうがいい?
車は経済面や効率を考えると、何年かおきに買い替えていくほうがいいのでしょう。
しかし、私はどうしても今乗っている車が好きで、修理をしながら20年以上も乗り続けています。

そんな私の車は、実は、いつ停まるかわかりませんし、エアコンをつけても効いたり効かなかったり、音楽を聴いても同じところを流れたりと、なかなか自分の思う通りに動きません。
でも、それが当たり前という感じで捉えているので、「また来たか」くらいであまり打撃を受けません(かなり忍耐強いようです)。
うまくエアコンが効き音楽が自然に流れていると、とてもラッキーだと感じ気持ちよくなります。

車は快適なほうがいいに決まっていますし、車がいつも安定していれば心配をしないですみ、もっと有意義に時間を過ごせます。
しかし、いつも車が安定していて快適である状態に慣れてしまうと、ちょっと調子がおかしくなると不快でたまらなくなります。

これは心の焦点の問題です。
人生も同じで、「日常」が安定しているとそれが当たり前になります。
しかし、突然くる刺激にはとても弱い自分がいることに気づきます。

なにを言いたいかというと、心というものは、ある意味いつも安定を求めないほうがよく、またある意味では安定を求めたほうがよい。
すべてが当たり前にならないということが、とても大切であると感じます。
安定を求めると、そうでないときには不幸を感じてしまいます。
一番良いのは安定がありながらも、不安定に対応する心持ちをしておくということでしょうか。

習慣も安定です。
いつも同じことをしていると生活のなかにパターンができます。
たとえば、同じパターンで行動する人がいると、周りの人はこの人はそうするだろうという予測ができます。
その予測通りに行動がされれば周りの人は順調で幸せですが、違う行動をされれば、勝手なもので、ちょっと不快になったりトラブルを発生させたりします。

人生を楽しむには
どんな状況にもフレキシブルに対応できるようになると、人生の幅が拡がり、なにが起きても動じなくなります。
上がったり下がったりジェットコースターのような感情もある意味必要ですが、余計な心配事が増えてしまいます。
周りの状況に左右されない、強くて柔軟な心を養うことが、大切なのではないでしょうか。

現代の生活はいつも快適で安定しています。
それに慣れてしまったとき、私は自分に刺激を与えています。
たとえば、食事を抜いてみたり、水に潜り空気のありがたみを感じてみたり、いつも自転車で行くところを歩いてみたりします。
そんなとき、普段は気づかなかった身体の変化や気持ちの動きを感じることができ、安定した生活にありがたみを感じます。
目の前にたくさんのありがたみが現れれば、とても幸せに感じられるのではないでしょうか。

いろいろな環境に対応できる自分を作り、当たり前を変えてみることができれば、楽しいことが増えるはずです。
今悩んでいることも、実はたいしたことではないかもしれません。
もし不快、不安に感じることがあれば、一度、「当たり前」を少し捨ててみるのもいいのかもしれません。

78慈光

 遠方へ旅をしたり、場所を移動したりするために、飛行機を利用される方は多いのではないでしょうか。
私は最近はあまり利用しなくなりましたが、以前は年間に何十回、毎週のように飛行機を利用していました。
そんなヘビーユーザーとして、飛行機についての思い出や、考えさせられたことがいくつかあります。

貸し切りの飛行機
めずらしい思い出は、冬のとても寒い雪の日に、秋田から大阪へ勉強会に参加するために飛行機に搭乗したとき。
なんと、お客さんは私一人だけということが1回だけありました。
ジャンボジェットのような大きな飛行機ではありませんでしたが、プロペラ機の50人乗りで、私一人の貸し切り状態。
とても恥ずかしいやら、申し訳ないやら、非常に複雑な気持ちで搭乗したことがあります。
私一人のためにこの飛行機が運航し、CAさんやパイロットさんが飛行機を飛ばしてくれているかと思うと、なんだか申し訳ない。
いっそのこと欠航にしてくれればよいのにと思っていましたが、CAさんのお話だと、やはりその後のスケジュールの関係で、大阪についてからも他の地へ飛ばなければならないので、ご心配無用ですとのことでしたので、一安心。

とはいえ、通常は飲み物を用意したり緊急時の説明をしたり、数名のCAさんが機内全体を見回っていらっしゃるところ、私しかお客さんがいないため、CAさんが私の周りだけを頻繁に交互に行き交う感じで、こっぱずかしい思いをしました。
まぁ、よくいえば飛行機をプライベートジェット以外で貸し切るという、貴重で素晴らしい体験となりました。

見えなくても太陽は
いつもあなたを照らしている

また、飛行機を利用すると、いつも考えさせられることがあります。
それは飛行機に乗るときに、地上では雨や雪であっても、上空にいくにつれ、雲の中を上昇していくと、必ず青天の空を飛んでいるということです。
着陸態勢になり、高度を低くすると、また雲の中を下降し天気が悪くなるのです。
そんな体験を何度か繰り返すうちに気づいたのは、「青天の太陽はどんなときでも、いつも私を照らしてくれているんだ」ということです。
雲というフィルターがあるために、天気が悪いとか憂鬱だとか感じてしまうことがありますが、太陽はそんなときでも、私たちをいつも照らしてくれているのです。

人はいろいろな場面でフィルターを勝手に作り出し、言い訳やできない理由を用意しようとするのですが、そんなことはもう必要ないのです。
私は、いやあなたはすでに成功しているのだから。
「私は成功していないですよ」とおっしゃる方がおられるかもしれませんが、あなたがすでにここにいらっしゃるということ自体が成功なのです。
お母さんのお腹の中で、受精の瞬間に、1つの卵子に向かって何億という精子が戦い、そのなかのたった1つが受精した結果、あなたがいるのですから。
あなたは過去に一度、成功を体験しているのです。
何も心配することはないのです。

今、いろいろな不安や苦悩、苦しみのなかで、この文章を読まれている方もいらっしゃるかもしれませんが、太陽はいつもあなたを照らしているのです。
神様はいつも見守ってくれているのです。

インドの生き神様にお会いした話を以前にもしましたが、その方はいつもおっしゃっていました。

「If you look at me, I look at you.」
「あなたが私を探すとき、私はあなたを見ていますよ」ということ。

そう、あなたは決してひとりではないのですから。

77舞台医学

 舞台医学という言葉があります。
仕事で同じ姿勢や動きをとるために、酷使した身体の部位が他の部位より壊れて痛みなどを発したりすることをいい、その業種により異なる部分に痛みや歪みが出るという特徴があります。

寝た姿勢での治療の弊害?
先日、テレビで「ひふみん」こと将棋棋士の加藤一二三九段が、前歯を入れない理由を明かしていました。
彼は前歯を入れた際に「頭の働きが止まってしまった」というのです。
花を見ても美しいと思えないなど、「感動というものがなくなってしまった」とも。
本人がそう言うのだから、間違いのない感覚と感情なのでしょう。

前歯が無いということは歯科医側からみると、とても残念なことです。
日本の歯科のレベルを現しているようで、歯科医としてはとても恥ずかしい話ですが、このことを歯科医学的に考察してみたいと思います。
ひふみんの前歯が入った状態を、直接診たわけではないのであくまでも推測になりますが、次のようなことが考えられるのではないでしょうか。
それは、上の前歯を制作して入れたときに、下顎が後ろに押された適正ではない位置で顎が固定されてしまい、脳血流が一気に下がり、脳の判断力の低下に繋がったのではないかということです。
歯科治療において、水平位という寝たままでの治療をした場合に、顎関節の動きが緩い人は、顎の位置が重力で下がってしまうことがあるのです。

そうでなくても棋士は仕事柄、正座をして下を向く姿勢を長時間取ることが多いので、下の顎の位置が前に出たかったのを、その上の前歯が邪魔をする位置に作られたために、不快で仕方がなかったのではないかとも考えられます。
そのまま放置すると当然脳内の血流が弱まり、脳梗塞をおこしやすかったり、精神的に落ち込み鬱になりやすかったりという状態であったといえるかもしれません。
歯は綺麗に入れた方がよいですが、かみ合わせが適正でないと全身の色々な病気の種や症状を作ってしまうのです。
見た目も大切ですが、見えない部分にもっと大切な要素が眠っています。

また加藤氏は、前歯を入れた時期に、バイオリニストの方が「歯を入れたらバイオリンの演奏ができなくなったので歯を取ってもらった」という自身と似たような体験記を読み、これは同じだと判断されたらしいのです。
バイオリニストは、バイオリンを弾く際に、顎の左下にバイオリンを挟むような姿勢になるので、歯の治療時には、首の位置や身体の使い方が左右対称でないところを考慮しなければ、上記のようなことがおきてしまうので、注意する必要があるのです。
どのような症例でも、その人の今の生活環境に入り込まなければ、適正な治療はできません。
患者さん側のなかには、そんなことは関係なく歯だけ治してくれれば良いという方もいらっしゃるかもしれませんが、とても大切なことなのです。

歯は首や全身に影響する
重い頭蓋骨を支えている首と歯は、自転車が倒れないように支えている補助輪のようなもの。
かみ合わせは歯だけの問題ではなく、首との対応関係があり全身と繋がっているのです。
しっかり歯を治療することは健康を得る第一歩に間違いありませんし、もしかしたら今お持ちの症状は、歯が原因によるものかもしれません。
先日の学会でも、アメリカの教授が「がん」も歯科の慢性的な感染により免疫が下がることが原因だとお話しされていました。
すべての病気を治すためには、まず一番先に歯の治療が必要なのです。

当医院も早いもので、8月1日で西麻布に歯科医院を開業して5年目に入りました。
一人ひとりにお時間を用意し、じっくりご説明して、お互いが納得のいく治療を提供できるように努めていきたいと思っております。

76エンスージアズム熱意

プレマルシェ・ジェラテリア 中目黒店に行きました
7月1日、プレマルシェ・ジェラテリア中目黒店ご開店おめでとうございます。

40種類以上のフレーバーのなかにビーガン対応という斬新なコンセプトのものもあるとのこと。
レシピづくりには相当努力されたに違いありません。
また中目黒の駅前徒歩1分という素晴らしい立地にも感動です。
このような場所に巡り会うことは、なかなか珍しく大変だったのではないでしょうか。
よいエネルギーをもっていないとやはりよい流れが来ることはなく、また流れが来たとしてもそれを敏感に察知し、いろいろな逆境を乗り越える強い意志がなければ実現は不可能だったと思います。
4年前、自分自身が西麻布で歯科医院を開業したときのことを思い出し、そんなことを考えさせられました。
よい流れを作り、強い意志を持ってご開店されたことをとてもうれしく思い、喜んでいます。
さすがプレマ。
おめでとうございます。

中目黒駅は西麻布の当医院からも近く、初日は日曜日で大変だと思い、オープン2日目にお邪魔してきました。
お祝いのお花がたくさんあり、とても良い雰囲気の内装に仕上がっていました。
お客さんが途切れることなく賑やかな店内。
お店に入ってすぐに目についたのは大きいアラジン・ウォーターサーバー。
あのサーバーの形は私もすごく好きで、当医院の受付にも置かせていただいていて、なぜかとても良い波動を与えてくれているように感じるのです。
もちろんプレマのことですから、他にも目に見えないところに、プレマの神髄たるものがたくさん隠れていることでしょう。

「好きなこと」を仕事に
人は誰かの一生懸命な姿をみると、自然に応援したくなるものです。
それはきっと、熱意が伝わるから。
「熱意」とは「熱い気持ち」です。
その人の魂の叫びのようなもの。
熱意を持ちやる気に満ちあふれている人は、堂々としていて目力と行動力があり、魅力的に映ります。
そして、魅力的な人の周りには更に人が集まってくるという相乗効果が生まれるのかもしれません。

「熱意」は英語でエンスージアズムenthusiasm。
辞書をひくとその文字の中に[thus=god]という注釈がついています。
神がかりであり、神から授かった天職のような仕事に就いたときに熱意がでるのか、熱意があるから天職に出会えるのかはわかりませんが、とても大切なものだと感じます。

店員さんも新人の方が多いと聞きましたが、それぞれに熱意を感じました。
冷たいジェラートを食べても心が温まる理由は、そこにあるのかもしれません。
当医院の患者さんにも、おすすめしたいと思っています。

何事においても、一歩先に進もうというときには必ずついてまわってくる不安や恐怖。
それらについていろいろ考え出すと、大概不思議と呼吸することを忘れてしまいます。
すると身体の生化学が変わり、悪い循環が始まり、マイナス思考ができあがってきます。
その状態を中断するためには、姿勢を正す、お水を飲んで身体の生化学を変える、運動して心拍数を上げるなど、今と違うことをして不安を乗り越える必要があります。

すべての感情をコントロールする必要はありませんが、マイナスの感情は負のスパイラルに陥りがちなので、それ以上深く入らないようコントロールできたほうが人生は楽しいのではないでしょうか。

前回にも少し触れましたが、「好きなこと」と「仕事」を結びつけることができれば、信念の形成も容易になります。
願望が信念によって支えられていることが、エンスージアズムがいちばん定着しやすい環境なのではないでしょうか。

75きっかけ

 毎年1回トライアスロンの大会にエントリーすることをマストにしています。
「絶対毎年出る!!」と決めているので、練習もなるべく通年通してできるようにしています。
オリンピック・ディスタンス(競技距離)は、スイム(水泳)1・5キロ、バイク(自転車ロードレース)40キロ、ラン(長距離走)10キロ。
3種目のうち一番好きなのが小学生のころから得意な泳ぐことです。
日々の練習も他の種目より泳ぐことを無意識に優先してしまいます。
高校時代に東京から北海道まで自転車で一人旅をした経験があるので、バイクはなんとかなる自信があります。
問題なのはラン。
大学時代に運動中の怪我で膝関節を故障し半月板の手術をしたために、何か運動すると必ず膝が痛んだり腫れたりということを繰り返していました。
その都度、テーピングなどを併用しながら筋肉を補強してしのいでいましたが、今後も激しい運動を続けるには、やはり根本的に治さないといけないと思うようになりました。
一度失ってしまった組織は戻りませんが、自分の身体で人体実験を始め、考察することにしました。
膝は腰椎の3番あたりの歪みが関係しているので、なるべく腰椎に歪みを持たせないようにすることが大切だと思い、寝た状態で日々膝を曲げて左右に倒す感覚を養い、左右均等になるよう心がけるようになりました。
歯科医の仕事は患者さんのお口をのぞき込む体勢をとるため、どうしても腰椎に歪みをつくりやすいことも認識し始めました。
それから食べ過ぎ飲み過ぎも、当然、腰椎に変位を大きく与えてしまうこともわかりました。
調子が悪いのは半月板の手術をしたからと思い込んでいましたが、結局は自分の生活のなかに必ず原因があるとわかりました。
目を離さず根気よく見続け、根本治療が大切なことを認識しながら、さまざまな方法を編み出しているところです。
膝を曲げると完全に曲がらない状態が常でしたが、それも克復し、足がある程度今までより自由になっていること、また、以前に自分の歯の治療もしたこともあり、走るときの身体のバランスが中央によるようになりました。
左右のぶれが少なくなることで膝への負担も最小限となり少しずつ走るのが楽しくなってきました。

楽しくなれば苦痛ではなくなる
 トライアスロンにはアイアンマンという種目があります。
その競技距離は、スイム3・8キロ、バイク180キロ、そしてランが42・195キロのフルマラソンという、かなり過酷なレースです。
先日、トライアスロンの大会の直前に、アイアンマンワールドチャンピオンシップに6回の優勝経験を持つ、アイアンマンのレジェンド、トライアスロンの神様といわれるDave Scott選手の合宿に参加する機会を得ました。
彼は現在64歳。
私よりも11才も歳上ですが、ストレッチに始まりスイム、バイク、ランどれをとっても全くついていけません。
いつしか彼と私に違いをもたらすものは何なのかということに焦点を当てるようになり、彼の身体の使い方や心の強さを知ることは、これからの生活に大変な力となりました。
人は苦手なことや嫌なこと、苦痛なことはなるべく後回しにしたり、避けて通ったりしたいものですが、何かのきっかけでそれが好きになれれば、あとは自動操縦でうまくできるようになるのかもしれません。

通常歯科医院への通院は痛みを伴うことも多く、苦手で嫌なイメージを持つ方がほとんどだと思います。
しかしなぜか当医院の患者さんは治療中に寝てしまったり、来るのが楽しいと沢山お話をしてくださったりする方が多く、リラックスできているということなのでしょう。
うれしいかぎりです。
患者さんは人生の先輩が多く、お話を伺っていると教えていただくことが多いです。
なにか一つでも間接的にでも応援できたらうれしいなと思いながら日々、治療させていただいています。

74口腔育成2

 昨今、小児の歯科検診に伺うと、残念ながら本当の意味で健康で健全な歯をしているお子さまはとても少なくなってきていると感じます。子どもの歯は本来、歯と歯の間に空隙があってこそ、大人の歯に生え替わったときに良い歯列となります。

しかし、ほとんどのお子さまの乳歯は、綺麗にくっついていて歯と歯の隙間がなく、尚かつ、一番前の歯がV字に捻れているという状態です。さらには先天性に乳歯が欠如している場合も多くみられるようになってきました。

また、歯のかみ合わせも異常なお子さまが多く見受けられます。かみ合わせの状態は、実は、身体の状態をあらわしているともいえます。形態異常は機能異常に繋がりますので、片足立ちやスキップができないというお子さまが目立ってきています。

子育て環境が歯並びに影響する
 歯並びが悪いと矯正治療をしますが、今までの矯正治療とは違った要素が必要であるように思います。現在、歯科ではマイナス1歳からの歯科治療という考え方で、お母さんの栄養や姿勢を含む「生活スタイル」に介入して、なるべく良い状態に戻したいといろいろなアプローチをしています。なぜなら母親の食生活や精神状態などが胎児に影響を与えていますし、お腹の中にいるときから小さな歯牙の元が形成され準備を始めるからです。胎児期、乳児期の一つひとつの成長発育のステップは、脳や口腔周囲筋の発育にとってとても大切なのです。

最近、幼児期から電気製品と接触する機会が増え、またペダルのない小さな自転車にまたがっている姿をよく拝見するようになってきました。バランス感覚を高めるトレーニングとしては有効ですが、骨盤の成長や、人間の構造的なことを考えると、実は、あまりお勧めできません。自転車のサドルの形状を考えると、くさび作用により骨盤を開いてしまうため、直立姿勢や歩行に支障をきたす場合もあります。成人ならまだしも、子どもの成長発育期にそれを取り入れるのは、とても注意が必要です。

医療と環境のバランスが鍵に
 そのように、生活環境が昭和の時代とは180度かわった状態にあるために、人間が退化してきているのですが(考え方によっては進化してきているともいえる)、我々医療者が治療としてどこまで介入すべきかは、いつも悩ましい問題であり、介入方法や深度は患者さんによって異なります。その方の環境を考慮しないと快方には向かいません。

以前、かみ合わせの調整をした患者さまで、「朝起きると頭が痛い」とおっしゃる方がいました。もちろん、かみ合わせの調整が甘かったところもあるのですが、よく話をうかがうと、その方はなんと毎日ソファで寝ているというのです。夜はベッドか布団に入って休んでいるものだとしか考えがおよばなかった私は驚きました。ソファという水平ではないところに、何年も寝ていると、自然に水平をとろうと身体は変化してしまうはずです。そのため、さまざまな症状が出るきっかけになったのではないかと考えました。かみ合わせと身体の調整をはかり、今は症状が全くなくなり快調です。

このように、治そうという医療と、壊そうとする環境、その両者を追い続けることが治療の鍵となりそうです。しかし、その差は開く一方で、どこまでいけばよいのだろうかという時代の変化を感じざるを得ません。

当医院は、かみ合わせを中心に骨格構造など全身をみる齒科醫院です。大きな病院に検査で入院したとしても「歪み」に対してアプローチするお医者さんと出会える機会は少ないでしょう。その違和感や症状は、実は、日常生活やその環境など、身近で些細なことからおきているのかもしれません。

73栄養>配慮、感情の揺さぶり

 私は月に1度整体の勉強の為に豊橋へ通っています。日曜日の午後6時からの講座の為、勉強が終了すると10時を過ぎてしまいます。それから車で東京に向かう生活をしていますが、最近つくずく思うことは高速道路の運転マナーが非常に悪くなったということです。それはというと速度が遅いわりに追い越し車線を走っている車が多く見られ、その後ろに車が近づいても反応無く結果的には渋滞を招くことにもなります。基本的に追い越し車線(右端)は追い越す時のみ使用し常には走行車線(左側)を走るのが規則のようですが、仮に追い越し車線を走っていても以前は後ろから車が来たことに反応して、走行車線に入り後続の早い車に道を譲るという暗黙の了解が成り立っていました。
混んだ都会の交差点で歩きながら携帯電話をして、行き交う他人にぶつかりそうに成りながら迷惑をかけていることと同じです。
 恐らくですが、それらのことというのは、その人の生活すべてに同調しているようにも思え、周りに配慮することができなくなっている人が多くなってきているのでは無いかと思います。
 アクセルを踏まなくてもスピードが一定に走れる機能を積み、いまでは白線に沿って自動で運転することや、障害物が近づくと自動でブレーキを踏むなどの便利さが増えることにより、本人次第ですが社会の秩序が乱れてきていると感じてしまいます。
 躾や教育の内容が昔と違うと一言では言い切れませんが、そのようになってしまった社会環境や家族環境に本当の原因はあるのではないかと思います。
 男女平等とよくいわれますが、どういうことが平等なのでしょうか。同じことを同じにするということは平等では無いと私は思います。なぜなら、男と女は身体も心も全く違う生き物です。同じことをするのではなく役割分担をしっかりするということが本当の平等につながるのではないでしょうか。
 今は体罰は禁止というのが主流だと思いますが私が小学校の時には、忘れ物をしたものは黒板の前で立ち、先生がはたきのフサフサの部分を取った棒でおしりを叩くということが毎日行われていました。その叩かれた人は腿の後ろがミミズ腫れになっていて、それをみると痛々しく、忘れ物は絶対しないようにと思うようになりました。そのような自分を戒める力になっていたことは、今でもとても良いことだったと思っています。また運動会の徒競走も順位があり、負けると悔しいという感情が沸き、今度は負けないようにと家で密かに練習したりもしたものです。今は極端なところでは、みんな一緒に手を繋いでゴールということもあると聞いたことがあります。子供の時に感情を揺さぶり、その状況を一つ一つ打破する努力をしたことで色々なことを学べるのに、感情が動かないようにしているのは大きな間違えで、その後突然に感情が動いた時に対処できないことになってしまうことでしょう。
 電気製品ゲームの中でのバーチャルなことと、今ここで起こっているリアルな現実との差が便利さを追求したことにより、経験値が下がり、人間の脳が休止状態になり配慮がなくなることに繋がってしまっているのではないかと心配です。もちろん多動性のお子様も授業中に沢山いらっしゃるとのことですが、それはその子供さんのミネラルのインバランスがそうさせているという考え方もあります。先日オーソモレキュラー学会に参加しました。オーソモレキュラーとは栄養療法のことですが、まずは医師会、歯科医師会、製薬会社などに支配されることのない本当の医療。食べた物が身になるという即ち、細胞を作る栄養が日本人のポテンシャルをもう一度輝かせる方向への第一歩となるのではないかと私は考えております。
すべては食の見直しから。

72五感の喪失

 五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の感覚の総称ですが、現代の生活では少しずつ失われ始めているように感じます。その理由は、おそらく二つ。一つは環境の変化により五感を必要としなくなってきたことです。たとえば、調べものをするときに専門書を開き、「確かこの辺に書いてあったんじゃなかったかな」と、パラパラページをめくり、きわめて感覚的に辿り着くことができました。しかし、電子ブックや電子辞書では、厚みや手触りの感覚がありません。直接そのページや単語を検索するなど、時間短縮して見つけられるかもしれませんが、五感を必要としません。手や指の感覚(触覚)を使うことなく、頭脳で指示することが必要になってしまったということです。

ファイルを書類棚に整理するときも、アナログでは書類を系統立てて色分けしたり大きさを変えたりするのに触覚も視覚も使い、一目瞭然です。ただし場所を取ります。デジタルではパソコンのフォルダ内に格納し、その位置は私たちの頭の中にあります。フォルダの色分けはできるものの、視覚や触覚を使わずに整理できてしまうのです。

対人間関係にしても、友人との対話や仕事の交渉事など、大抵のことがメールのやり取りで事足りてしまいます。時と場合にもよりますが、やはり、直接相手と向かいあって話すのと違い、相手の状況や状態が読めないので、意図せずお互いに相手を傷つけてしまうこともあるかもしれません。

子どもの喧嘩も同じです。互いにちょっと小突いたりしながら、その力加減を触覚で体験し、「これくらいなら大丈夫」「これ以上は危険だな」と、痛みの経験からわかっていたものです。しかし、ヴァーチャルな喧嘩は、痛みを考慮して力加減することはなく、突然にキレてしまうことも。そして、リセットして、またすぐ復活させることができてしまうのが怖いところです。

最近、特に気になるのが「臭い」。人が通った後に強烈に残るほどのきつい香りの洗剤や柔軟剤が主流のようで、あちこちで同じような臭いを感じます。敏感な方は電車の中や人混みは辛いのではないでしょうか。ベランダ越しの隣家の洗剤の臭いが強烈で、ベランダに出られない方もいらっしゃいます。

味覚は、その人の栄養状態によって異なり、ミネラル(亜鉛)のバランスが影響します。唐辛子を山ほどかけても辛くないという味覚異常の方も多いようです。

五感を必要としない生活の場が提供されることで、人が物化していくということに注意を払わなければならないのではないでしょうか。

かみ合わせがずれ身体が歪むと「感覚」も失われていく

五感が失われてきているもう一つの大きな原因として、身体の歪みが考えられます。歯のかみ合わせの中心軸は頸椎の2番あたり。歯のかみ合わせが大きくずれると体に歪みがおこり、頸椎がずれます。臭いを感じない、耳が聞こえづらい、手がしびれる、視力がぼやけるなどの症状が出てくることもあります。歯のかみ合わせがずれたり、身体が歪むと五感の感度が落ちてしまうのです。

時代によっていろいろな流れがあるので、その流れに乗って生きていくことが必要だと思いますが、大切なことを忘れてしまいがちです。アナログからデジタルの時代への移り変わりにより、情報は地球の裏側からも瞬時に届き、世界に拡散することができるようになりました。このことはとても素晴らしいことだと思います。しかし、おかげで誤った情報が流れてしまうことも増え、その識別には、情報を受け取る側の「見抜く力」が必要になっています。そのためには経験値を高め、五感の感度を鋭くすることです。左右バランスのとれた骨格(正しい歯のかみ合わせ)となるよう整えて、流されてしまわないようにしたいものです。

71神合わせ

 すべての歯科治療に、かみ合わせの調整は必須です。
かみ合わせは「神合わせ」ともいわれ、とても奥が深く、未知の部分も多い分野。
かみ合わせが成立するのは前から7番目にある第二大臼歯が上下左右生え揃いかみ合うとき。
個人差はありますが、高校生ぐらいで揃ってきます。

かみ合わせが成立する時期に姿勢が悪かったり、左右非対称の過度なスポーツをしていたりすると、歪んだ状態で歯止めがかかってしまいます。
姿勢の左右バランスが良い状態で成立しても、その後、姿勢が悪かったり、頬杖や横座りなどが長期間続いたりすると、徐々に左右不均等な圧力が歯に掛かり、歯並びは崩れ、かみ合わせは悪くなります。
昔の人が姿勢に厳しかったのは、このためかもしれません。
かみ合わせが狂うとさまざまな病気につながります。

人間は二足歩行のため、バランスをとるのが難しく、繊細な生き物です。
頭はボウリングのボールほどの重さがあり、左右に1ミリでもずれると、骨格全体が重心バランスをとろうとします。
側弯にもなりますし、そのほか、頭痛、耳鳴り、肩こり、首痛、胃痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足首痛、足指の異常、便秘など、全身に症状が出てきます。
頭蓋にブランコのようにぶら下がっている下顎は、頭蓋に対しても、体の姿勢に対してもバランスをとる、平衡感覚器の役目があります。
信じられないかもしれませんが、歯のかみ合わせが狂うと、突然に歩けなくなってしまうこともあるのです。

虫歯を修復するために、虫歯を削り被せ物をするということがおこなわれますが、虫歯を再び作ってしまう原因は、そのまま放置されているのが現状です。
虫歯は、歯に付着した汚れの虫歯菌による脱灰という説が主流です。
しかし、力による圧力が歯を崩壊させ徐々に削れていき、そこに汚れが入り、さらに加速して虫歯が進むことがほとんどだと感じます。
その虫歯ができる力をコントロールするためには、歯並びが綺麗で、かみ合わせがよいことが必要条件です。
かみ合わせが良いということは、姿勢もよくストレスもうまく解放している状態。
体が歪むことで虫歯ができるのです。
心が歪むことで筋肉の過緊張がおこり、くいしばりなどで歯が壊れるのです。

昭和の生活は体が歪みにくい
母乳やおんぶや縦だっこで育ち、和式トイレ、正座、食卓にテレビがない、玄米や五穀米などのお米が主食、カタカナの名前のものはあまり食べない、電気製品を携帯しない昭和の生活をしてきた人には、体の歪みはあまり見受けられないのに対し、粉ミルクや横だっこで育ち、洋式トイレ、ソファーや椅子の生活、テレビを観ながらの食事、パンなど柔らかい食品の常食、カタカナの名前のものを食べ、携帯電話を常時携帯といった平成の生活をしてきた方は、バランスが悪く歪みやすい体を持つ人がいるようです。

胸を開いたり、体幹を鍛えたりと体の使い方のレッスンに通っていた患者さんが、かみ合わせがよくなることで、自然に胸が開き姿勢も力まずに良くなり「今までの苦労は何だったんだろう」と嘆かれていました。

もちろん体に歪みがある場合には、そういうアプローチも大切ですが、ほとんどの方はかみ合わせにも歪みをもっています。
歯のかみ合わせの不良と体の歪みのどちらが先か、またはどちらの比重が多いかということがわかれば、原因を一つずつ排除していけます。
それには歯だけを治療する西洋医学ではなく、統合医療が必要です。

世界で日本だけが癌患者数が急増していると聞きます。
放射能などの環境汚染を始め、カゼインを含む乳製品などの動物性タンパク質の取り過ぎや糖質制限などの食生活の誤情報もありますが、審美優先で見た目だけの、機能を無くしてしまった歯科医療にも責任はありそうです。