上唇小帯と舌小帯

 昨今、食生活が乱れ軟食になってきていることなどにより歯の並びが悪く矯正を必要とする患者様が多いです。また、母乳で育っていない子が多くなってきていることも時代背景と連動し多くなっています。上下の唇をめくると真ん中に筋のようなものがあり、これを小帯と言いますが、この小帯の位置が歯の方に長く付いているお子様が非常に多いです。このままにしておくと大人の歯に変わったときに歯がくっつかないとよく言われますが、実はそれよりももっと大切な事があります。その小帯が歯の方に付いていることにより唇を「う」と発音したときの形がその筋がひっかかってうまく作れません。この唇を尖らす動きが実は前歯の位置を正常な位置へと導く事が考えられるため、歯が前に出ることをおさえつけてしまい顎の正常な発育が出来ないものと考えられます。歯は唇と舌との間に自然に放出するのですが、唇がうまく機能しないと正常な位置に歯が並びません。舌の裏側にも筋があり、また下の骨と舌との間にも筋があります。ここでも舌がおっぱいを一生懸命吸うことで筋肉(舌)が鍛えられるのですが、それをしてこないが為に舌がうまく持ち上がらなく気道をふさぐように奥に落ちているお子様が非常に多いのです。昔お産婆さんがいらした頃には生まれてすぐにその舌の裏側の筋を切っていたのですが、最近は出産の形態も変わりそのようなことをしなくなったということにも関係があり、舌が咽の奥にはいっていてなかなか前に持ち上げられない、舌の先を上に上げられないお子様が多いのです。歯並びを治す為の矯正治療も必要なのですが、その前に機能異常をおこす原因となる形態異常を治さなければなりません。機能と形態には1:1の対応があるのです。飛行機は空を飛べるように羽根が付いています。車は道路を走れるように丸いタイヤが4つ付いています。電車は線路があります。というように機能と形態は関連しています。人間の身体の機能と形態も同じです。機能を整えると形が正常化しますし、形を整えると機能が正常化します。これは姿勢を正すと身体の機能が良い状態になり、そのために気持ちも良くなります。姿勢は大切で形から入る事も一利あるのです。歯並びも顎の運動を考えると、ある形態が一番機能しやすい事がわかります。歯並びは大切です。

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最終更新日: 2015年 08月 12日 水曜日