スポーツと歯

*ゴルフ編

ゴルフをやっている患者さんが来院された時、患者さんが「先生、ゴルフ、曲がっちゃうんですけど、これは歯と関係ないですよね。」っと質問された。

 私は「関係ありますよ。」っと答えると冗談でしょうという顔をなさった。

 私はゴルフをやりませんので専門用語はわかりませんが、真っ直ぐに構えボールを真ん中に置いて真っ直ぐ振れる人の場合に、これは私が考えている事ですが、骨盤が変位して右足が短い状態(右仙腸関節変位)である人は当然スウィングをすると反り気味で打つことになるので右にボールが曲がり易い、それと反対に左足が短い状態(左仙腸関節変位)の方は当然かぶってスウィングをするのでボールが左に曲がっていくのではないか?と考えてます。また、噛み合わせが左が低い人は左に曲がり易く右が低い人は反対に右に曲がり易い。(この低いというのは正常な範疇での低さである。)これらは逆の事もあると思いますが何れにしても曲がる事には関係が有ると思っています。仙腸関節に変位があると顎の位置にも当然変位を起こします。ここで歯にマウスピースを入れ(首の回る角度が左右均等になる位置で製作したもの)、顎の位置を修正し身体にその位置を認識されるようよく噛みますと、より真っ直ぐ飛ぶものと思われます。

 顎の位置は歯の形態によってものすごく支配されてしまいます。何故かと言いますと顎が真っ直ぐ噛みたくても、先に当たる歯があると歯によって顎の位置はずらされてしまうからです。また、骨盤の変位も身体がバランスを取ろうとする為に顎をずらします。この顎関節のずれた状態では当然首の左右の動きは非対称になり、また、骨盤の変位がおこると当然腰の左右の動きが非対称になり、それぞれが(顎関節と仙腸関節)が連動する為によりより複雑な動きが現れます。

 故にゴルフのボールを真っ直ぐ飛ばす為には骨盤の変位と顎関節の変位を正す事が第一と思われます。基本技術をマスターする練習は必要ですが歯の治療も大切です。

 

*水泳編

 ゴルフのところで触れましたが首の動きは顎関節の位置、仙腸関節の位置、其の他により左右差が現れます。クロールの息継ぎで左ばっかりする人、また反対に右ばっかりする人をよく見掛けます。勿論その人のくせとかたづけられてしまいますが、実はその前に首の動き易さに左右差があるのです。左ばっかりで息継ぎする人は右に首があまり回らない様な骨格構造を持っている人で右で息継ぎをすると身体全身がぶれて動いてしまう為に重心がくるい沈み掛かってしまい苦しいのです。ここでも骨格構造の歪みをとり噛み合わせをしっかりする事が大切と考えられます。オリンピック金メダリストの北島選手がからだのシンメトリックに注意をはらうのはこのためもあるのです。

*スキー編

 スキーで右回りのターン、左回りのターン、がありどちらかをいつも注意される人、また、スキーの板がずれてしまう人なども上記(ゴルフや水泳)の関係が有ると考えられます。顎関節の位置と骨盤の位置が身体の重心を決めるポイントですので、歯は大切なのです。

 

 スポーツは身体に良いと言われますが、ここで大切なのは左右均等の動きをするスポーツの事であり、野球やテニス、剣道、卓球、・・・・・・等どっちかの動きに集中してしまうものは身体を歪ませる1つの因子となり整理体操や反対の筋力を補う等の補正が必要であると思われます。急に左右不均衡な動きをされた後によく歯が痛いと言って来院される方がとても多いです。(その歪みが顎関節に現れ歯をゆする力が働き自分の歯で自分の歯を痛めつけるからです。)

スポーツ選手で常に良い成績を修める選手は必ず歯を大切にしています。また身体のシンメトリック性はミクロン単位で調整しています。

 

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2015年 08月 12日 水曜日