【83】直感が導くもの

前回、「自然と同調する波長(無意識の選択)」というテーマで、「直感」について自分の感じていることをお話ししました。今回はその続きとなる話をしたいと思います。

正しい情報、必要な情報の選択
現代社会は今までになかったほどに、物事の進み方や情報の伝わり方など、何事においても劇的にスピードが速くなっています。

わかりやすい例としては、インターネットの利用で情報が全世界に一瞬で到達してしまうことが挙げられます。そしてこれは正しい情報のときには良いのですが、間違った情報が広まってしまうと、世の中がその情報を基に一変してしまう恐れがありますし、その間違った情報を正しい情報に訂正することは容易ではありません。事実、私の友人に、根も葉もない情報をネット上で流され、その情報が世の中の人に本当のことのように思われ続けているという人がいます。しかもその間違った情報はずっとネット上に残ってしまっています。

すべてがスピードアップしていくなかで、人と人とのコミュニケーションの方法も少しずつ変わってきているように思えます。ビジネスのセオリーも変化しているのではないでしょうか。

また、テレビをつけると、心地よいと感じる話や、うれしいと思えるようなポジティブなニュースが少ないことに気づきます。情報入力の媒体や方法に注意しないと、殺人であったり何かの事件であったり、暗い話や嫌なニュースをいつも目にしてしまう恐れがあります。ネガティブな情報を入れ続けると受け手は必然的にネガティブになってしまいます。

たくさんの情報があるなかで、本当に正しい情報を選別できる判断力を身につけておくことは、現代を生きるうえで一番大切なことかもしれません。

無意識の直感による判断
今回の話を書く際に、ジャーナリストの竹村健一氏が語ったといわれる「マスコミが、芸能ネタなりスキャンダル事件を連日連夜、執拗に報道しているときは注意しなさい。国民に知られたくないことが必ず裏で起きている。そういうときこそ、新聞の隅から隅まで目を凝らし、小さな小さな記事のなかから真実を探り出しなさい」という言葉を思い出しました。

情報を操り、人々の関心を集め、世の中の風潮を変えたり経済を動かしたりする人たちがいるわけですが、それに対して、その情報が自分にとって必要か否かを瞬時に判断し、必要であれば適切にアプローチできるかは、自分を瞬時に客観視できるかどうかで決まるのではないでしょうか。どんなときも自分の立ち位置を理解し、いつでも心との対話ができる練習をしておくことが大切です。そして、必要のない情報は自分に取り込まないようにすることも大事なのです。

私は以前、スピリチュアルの世界でよりどころとしての神を探し求めていた時期がありましたが、ある人の「神と人間の距離とは、その人間の自分自身との隔たりと同じなのです」という言葉で、それは求めればいつもすぐそばに現れるということがわかりました。

また、アルバート・アインシュタインの言葉に、「心は、心が知っている分だけ前に進むことができ、また、それを証明することもできる。しかし、心が大きく飛躍するときがある。それを直感とでも呼ぼう。そのとき、人は一段高い知識レベルに上がるのである」というものがあったと記憶しています。

今を正直に精一杯生き、さらには自分自身と対話することができれば、第六感ともいわれる直感が自然と導いてくれるのではないでしょうか。どんな瞬間も、無意識に直感が働いていて、ファーストインプレッションによる判断がされているのです。