今回は「足」についてお話したいと思います。
私は歯科医師ですので今まで沢山の方のお口の中を拝見してきました。歯科の事は専門ですので、私の学んできた範囲と経験値から皆さんのご質問やお悩みにお答えしていきたいといつも思っています。
日々の臨床の中で虫歯を削って被せものをしたり歯の並びを矯正したり、根の神経の治療をしたり、入歯を作ったり、人工歯根(インプラント)を入れたりと、目の前の歯を直接治療することは当たり前におこなわれますが、人の身体は頭の先から足のつま先まで一つに繋がっていますから、目の前の歯をどんなに完璧に治療しても、身体の歪みや身体の使い方(現在の使い方だけではなく過去どのような使い方をしてきたか)も充分に考慮し適切な位置へと身体を導き修正をしながら治療をおこなわなければ、より良い結果を得られませんし本当の意味での治療(予防)とはならないと感じています。
そこまで踏み込んでいかないと、現代の歯やその他の病は治すことが難しいと思います。そこで専門である歯だけではなく、骨格やひいては身体の一番土台にある足についても学んでいく必要があったのです。
日本は玄関で靴を脱いで畳で過ごす元々の文化がありますから、欧米のように家の中でも靴を履いていることが当たり前の地域とは生活様式や足、靴に対する考え方や歴史が全く違います。考えてみたら私たちは正しい靴の履き方や選び方は誰にも習っていないのではないでしょうか。致し方ないことですが子供はすぐに足が大きくなっちゃうからと、つい大きめの靴を選んでしまいますよね・・・。子供の頃からしっかりとした足の使い方、靴下選び、靴選びをすることは、歪みの少ない成長をするためには大変重要となります。
基本的に身体の骨の数は206本ありそのうちの52本の骨が足にあり、身体を支えています。この数字だけでも足の働きが大変重要なことがわかります。そして正しく身体を支えるためには足には3つのアーチがしっかりとあることが大切です。これは歯の並びのアーチや背骨のアーチとリンクし姿勢(凹脚やX脚、猫背など)やかみあわせとつながっているのです。
尚かつ足の指は5本が開いた形に出来るのが理想的です。女性は特に普段は細い靴や踵の高い靴を履いて指が狭められた状態になっていることが多いと思いますが、休みの日や自宅に帰ってからは指を広げて日々補正をかけるところからケアを始められることをお勧めします。やり方は簡単です。五本の足指の間に手の指を五本入れて足の甲の方へ倒したり反対に倒したり、市販されている指の間に挟むグッズを使っても効果はあると思います。タオルを床に置いて足指でたぐり寄せたり足指でグー、チョキ、パーをするのもゲーム感覚でお子さんと楽しみながら出来ると思います。
私は福岡みらいクリニックのフットケアセンターの湯浅センター長より足指インストラクターの認定資格を頂き、咬み合わせと足指のケアをしながら全身との調和をはかる総合的な治療もご希望により行っております。次回ももう少し詳しく足指についてお話ししたいと思っています。