すべての歯科治療に、かみ合わせの調整は必須です。
かみ合わせは「神合わせ」ともいわれ、とても奥が深く、未知の部分も多い分野。
かみ合わせが成立するのは前から7番目にある第二大臼歯が上下左右生え揃いかみ合うとき。
個人差はありますが、高校生ぐらいで揃ってきます。
かみ合わせが成立する時期に姿勢が悪かったり、左右非対称の過度なスポーツをしていたりすると、歪んだ状態で歯止めがかかってしまいます。
姿勢の左右バランスが良い状態で成立しても、その後、姿勢が悪かったり、頬杖や横座りなどが長期間続いたりすると、徐々に左右不均等な圧力が歯に掛かり、歯並びは崩れ、かみ合わせは悪くなります。
昔の人が姿勢に厳しかったのは、このためかもしれません。
かみ合わせが狂うとさまざまな病気につながります。
人間は二足歩行のため、バランスをとるのが難しく、繊細な生き物です。
頭はボウリングのボールほどの重さがあり、左右に1ミリでもずれると、骨格全体が重心バランスをとろうとします。
側弯にもなりますし、そのほか、頭痛、耳鳴り、肩こり、首痛、胃痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足首痛、足指の異常、便秘など、全身に症状が出てきます。
頭蓋にブランコのようにぶら下がっている下顎は、頭蓋に対しても、体の姿勢に対してもバランスをとる、平衡感覚器の役目があります。
信じられないかもしれませんが、歯のかみ合わせが狂うと、突然に歩けなくなってしまうこともあるのです。
虫歯を修復するために、虫歯を削り被せ物をするということがおこなわれますが、虫歯を再び作ってしまう原因は、そのまま放置されているのが現状です。
虫歯は、歯に付着した汚れの虫歯菌による脱灰という説が主流です。
しかし、力による圧力が歯を崩壊させ徐々に削れていき、そこに汚れが入り、さらに加速して虫歯が進むことがほとんどだと感じます。
その虫歯ができる力をコントロールするためには、歯並びが綺麗で、かみ合わせがよいことが必要条件です。
かみ合わせが良いということは、姿勢もよくストレスもうまく解放している状態。
体が歪むことで虫歯ができるのです。
心が歪むことで筋肉の過緊張がおこり、くいしばりなどで歯が壊れるのです。
昭和の生活は体が歪みにくい
母乳やおんぶや縦だっこで育ち、和式トイレ、正座、食卓にテレビがない、玄米や五穀米などのお米が主食、カタカナの名前のものはあまり食べない、電気製品を携帯しない昭和の生活をしてきた人には、体の歪みはあまり見受けられないのに対し、粉ミルクや横だっこで育ち、洋式トイレ、ソファーや椅子の生活、テレビを観ながらの食事、パンなど柔らかい食品の常食、カタカナの名前のものを食べ、携帯電話を常時携帯といった平成の生活をしてきた方は、バランスが悪く歪みやすい体を持つ人がいるようです。
胸を開いたり、体幹を鍛えたりと体の使い方のレッスンに通っていた患者さんが、かみ合わせがよくなることで、自然に胸が開き姿勢も力まずに良くなり「今までの苦労は何だったんだろう」と嘆かれていました。
もちろん体に歪みがある場合には、そういうアプローチも大切ですが、ほとんどの方はかみ合わせにも歪みをもっています。
歯のかみ合わせの不良と体の歪みのどちらが先か、またはどちらの比重が多いかということがわかれば、原因を一つずつ排除していけます。
それには歯だけを治療する西洋医学ではなく、統合医療が必要です。
世界で日本だけが癌患者数が急増していると聞きます。
放射能などの環境汚染を始め、カゼインを含む乳製品などの動物性タンパク質の取り過ぎや糖質制限などの食生活の誤情報もありますが、審美優先で見た目だけの、機能を無くしてしまった歯科医療にも責任はありそうです。