【46】 腸2

腸の中には色々な菌が存在しています。前回、悪玉菌は悪のように言われていますが病原性の菌を攻撃する大切な役割があり、他の菌とのバランスが大切なことをお話ししました。ただし動物性の油の多い食事に偏るとお腹の中の栄養分が腐敗してしまい、悪玉菌は更に増え有害物質を出し、バランスを崩してしまいます。悪玉菌が増えすぎると便秘や下痢、腹部の張り、頭痛や肌荒れ、口臭や体臭など、様々な身体の不調を引き起こしてしまいます。
善玉菌には乳酸菌やビフィズス菌などがあり、食べ物から取り入れて腸内環境の改善を図ることが出来ます。 手に入りやすい食品としてはヨーグルトが身近ですが、ヨーグルトは乳製品ですから動物性の乳酸菌です。以前に日本人の8割は乳製品を分解するラクターゼという酵素を持っていないことをお伝えしました。好きという訳でもなく何となく習慣で口にしているのでしたら、動物性ではなく植物性の乳酸菌の含まれるたくあんなどをおすすめします。また、乳酸菌は乾燥や熱、胃酸に弱いため腸まで届けるのは難しいと言われています。最近では乳酸菌を胞子のまま摂取できる有胞子性乳酸菌の含まれたサプリメントなどもありますので、食事とのバランスを考えながら取り入れてみてはいかがでしょうか。もちろん日々の食事から季節毎に必要な栄養をとれるのが望ましいですが、今の野菜は土壌や環境の違いから昔の野菜と比べると格段に栄養分が少なくなっているといわれています。栽培されている方の努力もさることながら、忙しい現代生活には有効なサプリメントが健康の手助けになっていく時代が近づいています。
もう一つ腸の働きの手助けとなるものに食物線維があります。
食物線維には水溶性と不溶性があり、水溶性のものは海藻やこんにゃく類、果物全般に多く含まれていて、便を柔らかくして排便の手助けとなります。不溶性のものは豆類全般に多く含まれ、水分と一緒にとることで腸の蠕動運動を助けて便通を促してくれます。水溶性1に対して不溶性2くらいがバランスがいいとされています。尚、水溶性と不溶性両方の特性を持つ、納豆や牛蒡、きのこやおくら、林檎やバナナなどの食品もありますので、いずれにしても野菜や水分など一日の中で適度にバランスよくとることをお勧めします。
忘れてならないのが日本人の主食お米ですが、中でも玄米にはビタミンやミネラルや食物線維が沢山含まれています。何より小麦のように加工するのではなく、一物全体を取り入れることができるスーパーフードだと私は思っています。
余談ですが私は秋田に暮らしているときから、秋田県大潟村干拓地で30年ほど前から環境や安全に配慮してお米の栽培を続けていらっしゃる「黒瀬農舎」さんのお米(あきたこまち)を頂いています。あきたこまちは秋田県の農業試験場で生まれたお米です。本場の味を試してみたい方は検索してみてはいかがでしょうか。