【49】自由な診療への扉

「自由診療」と聞くと、みなさんはどう感じられるでしょうか。
日本では、ほとんどの方が健康保険に入っていますので、身体や歯に関わらず、
病院にかかるとき、通院に関しては保険診療が当たり前ではないでしょうか。
保険診療は、実際の医療費の一部の負担金を支払えば良いので、
治療費が安く済む点はとても良いことだと思います。
しかし、保険診療はルールの上に成り立っているものであり、
どの分野でも大切であるはずの「予防医療」は保険診療では受けられず、
健康診断や歯の検診チェックも本来は保険を使うことができません。
お口の中に常時ある材料は、本来は身体によいものを使いたいのですが、
本当に身体に為害作用の少ない材料は保険では扱えません。
日本は色々な分野で世界一のものがたくさんあります。
それにも関わらず、この素晴らしい日本人のお口の中に、
どうして車の部品で使われる種類の金属が入っているのかと
欧米先進国の方は疑問を持っているものです。

「症状」で受診しても「原因」にたどり着けない現実

昨今、医科歯科連携ということが盛んに言われるようになりました。がん治療の周術期に歯のケアをしようという連携などです。
歯の支えが無くなることで身体が歪み、腰が痛くなっている場合、
また、かみ合わせが悪く、偏頭痛などをもっている場合など、
原因と結果が違う場所に出ていることは多々あります。
しかし、現在の医療のシステムでは、歯は歯科、目は眼科、腰は整形外科という具合に
分科されているために解決がつかない病が発生しています。
患者さん自身も、どこへ受診したら良いのかわからないというケースも増えています。
そもそも身体には「部分」で存在している物など何一つありません。
すべてが一つの身体を創っているのです。
医科歯科連携はもちろん、その人全部丸ごとを見る必要があります。
そのためには「統合医療」が不可欠なのですが、これも保険治療では行えません。
また、前回も触れましたが、お医者さんへのアンケートで
「自分ががんになったとき抗がん剤を使用しますか?」との問いに、
99%が使わないと答えた現実があるようです。
それを顧りみても、今の保険医療での落とし穴に入り込んでしまった方を、
何とかしなければという思いが募ります。

「保険診療」という枠を取り払い「全身」を診る診療へ

ケテル齒科醫院では、この9月から初診前のオリエンテーション料金として、
30000円(期間限定)で、お口のレントゲン写真をお撮りし、
「今のあなた」のお口の状態を詳しくご説明したいと考えています。
痛みが無くても、歯を通して悩んでいることや困っていることなど、
お話しいただけましたら、私なりのアドバイスをさせていただきたいと思っています。
セカンドオピニオンでも結構です。
期限を作らなければならないことも出てくるかとは存じますが、
どうぞ遠慮無くご連絡ください。
読者さまの手助けができましたなら幸いです。
今こそ、患者さんが欲する医療、治る医療へ向かって統合医療の扉を開こうと思います。
当たり前を当たり前でなくするのはとても大変ですが、
過度な薬漬け医療からの脱却をはかり、映画『風に立つライオン』のように、
日本の医療の選択枝の一つとして貢献できたらと考えております。
インドで目にしたのは、路上でバケツの縁に治療器具をぶら下げ、
懸命に患者の治療をする額に汗するボランティア歯科医師の姿。
その国や、環境、実情に即した必要な治療を必要な方が選択でき、
役立つことを望みます。