【99】経験を生かして取捨選択する

 ABCの選択肢があるときに、今回はAの道に進んでみようと思い、Aの道に進むわけですが、いろいろな場面を想像しておく必要があります。その想像に対して、その時点でどのような行動をとるかを随時確認して進まなければ、自分の思う最善の方向へはいきません。
 
今回はこっちに行ってみよう。しかしこういう状況になったら、もう一度そこで止まって考えるという条件で進むやり方もあるし、今回はこっちで、どんなことが起きても止まらずに貫いて進もうと決める場合もあるかもしれません。またそれらは自分の立ち位置や相手とのバランス、事の重大さやリスクの大きさなどによって選択は変わってくるのかもしれません。
 
 いずれにしましても、一瞬一瞬を自分で決断したことにより、今現在の自分ができていて、また更には今後の自分を作り出すことになります。
 
 そっちに行く選択を決断するまでの行程の中には、当然今までの色々な経験が生きてきます。選択する際の大きな判断要素になることは間違いない事実です。そう考えると、できるだけ若いうちにいろいろな経験を積んでおくと、自然に視野が広くなって、よい選択ができるようになると思います。新しい経験をしようとすることは、どんな場合にも不安がつきまといますが、その不安を乗り越えるだけの勇気があるかが問われるのです。

人生における見えないパン

 歯科治療は、ほとんどが施術行為なので、どうしても患者さんおひとりおひとりに時間がかかります。どんな処置のときにも、それをうまくこなしたときの理想的な状況と、あまり想像したくはありませんが、うまくいかずにトラブルになってしまったときのことも、ほんの少し考えながら進めます。そうするのはトラブルに陥ったときの早めのリカバリーのためであり、またフラットな思考回路で施術をおこなうための心づもりでもあるからです。本来よいことしかイメージしない方がよいのですが、対象がモノではなく人間なので、患者さんにもそのような状況に陥るリスクを説明しておかなければなりません。
 
 取捨選択にはその人の持って生まれた性格や、築き上げられた性格がとても関係してきます。ひとつの事象に、すぐに飛びつく人もいればまったく飛びつかない人もいます。この選択は自由ですし平等です。以前も書きましたがパン食い競争では、そこにパンがあるという認識が一番大切なんだと思います。運動会ではパンは明らかに見えますが、人生においては見えないパンが多数存在しています。それをパンだと認識する感覚を養う必要があるのです。見えない物を察知する能力、即ち感性を磨くということでしょうか。
 
 感性を磨くいちばんいい方法は呼吸をみることではないでしょうか。座禅を組んで呼吸をみるようになると、不思議と「気」の世界に入り込みます。パソコンを使ったデジタルな世界に入る前に、自分の持っている未知な能力を開発することは、なによりも大切なことだと思っています。人のオーラは通常、誰にでも見えるものなのですが、見えないと決めつけていることで、すでに選択肢が絞られてしまい、方向性が限られてしまうのです。もっと広い視野を持てるように感覚を研ぎすますことが大切だと思います。新型コロナウイルスに関してもですが、見える世界より見えない世界に真実は隠されているような気がします。
 
 それから、通信環境5Gは水の波形をも変えてしまうと聞きます。水は波動を転写し、また想いはエネルギーということを考えると、これからは今まで以上の強い愛を抱いていかなければ健康であり続けることは難しくなりそうです。